良い歩き方と良くない歩き方

 時々歩き方について尋ねられることがあります。それは運動として歩くことが十分な運動量を確保できるかどうかというような質問です。
 また歩くことと走る事を比べて、どちらが運動として良いのかというような質問もいただきます。
 実は私は走ることも、歩くことも苦手で、若い頃から走ることについては本当に嫌いでした。
 一時期、体をクネクネとひねって歩くようなウォーキングが流行し一世風靡した時期もありましたが、その時の感想はこれが歩く事になるのだろうかとか、この方法に一体どんな意味があるのだろうか?と言う程度の印象でした。

スキルウォークとの出会い

 しかしある時、競歩の基本的な歩き方を学ぶ機会があり、そこで歩くことの効率性と言う考え方に行きつきました。
 また歩くという行為は、単に右足と左足を交互に出して前に進むと言うだけではなく、うまく全身を使うことによって実は運動としても非常に質の高い刺激を体に与えることができるということも理解できたのです。
 世界陸上レベルの優れた指導者に巡り会えたと言うことも良かったし、加圧トレーニングと組み合わせることで高齢者の足腰の強化に対しても非常に良い効果を得ることがわかり、以降私の運営するトレーニング施設ではウォーキング(スキルウォーク®)は立派な全身運動法として欠かせない存在となっています。

良くない歩き方って

 さてここで考えてみたいのは、どんな歩き方が良くてどんな歩き方が良くないのかということについてです。
 簡単に言うとよくない歩き方とは、足の筋肉のごく一部だけしか使わないで歩く歩き方ということになります。

 見よう見まねで運動量増やそうとして、大股でガシガシと歩く歩き方は、一見運動をしているような錯覚に陥るかもしれませんが、度の過ぎた大股歩きは足の一部の筋肉に大きな負担をかけてしまい、場合によっては腰痛などの原因になりかねません。

良い歩き方って

 反対に良い歩き方というのは 、 一部の筋肉だけを使うのではなく、足全体をあるいは体全体を使って効率よく歩くと言うことになるかと思います。
 また良い歩き方というのは見ていてもきれいな歩き方であって、姿勢も良く非常にスマートな印象を受ける歩き方だとも言えると思います。

コンディショニングとしての歩き方

 当施設ではコンディショニングのメニューの中にもこのウォーキングの指導も含まれていて、良い歩き方を学んだ上でそれを自分の運動メニューに組み入れることも可能です。
 対象となる方は特に年齢を問いませんが、中高年の方で特に足腰の弱りを気にされている方などは、加圧トレーニングとこのスキルウォークを組み合わせることで、短い時間で足腰の強化が期待できます。
 また若い女性などでは 、かかとの高い靴を履いて完全に歩き方を壊してしまっている方が沢山おられますが、このような場合も歩き方と体のバランスを修正することで、見た目にもかっこよく歩くことができるようになり、これがそのまま全身のシェイプアップつながります。

最後に

 歩くということは誰に教えてもらわなくても、みんないつの間にか習得しているように思っているのですが、良い歩き方、或いは運動として適した歩き方と言うのはやはり一度は学ぶ必要があるように思います。
 
 私がスキルウォークと言う競歩の練習方法に基づいた一般向けの歩き方を身につけてから、長距離を歩くことについての不安は一掃されました。
 あれほど歩くことが嫌いだった私も、今では歩くことを嫌がらなくなったのです。
 歩くことが嫌だった理由は、歩き出してしばらくすると、すぐに足の裏が痛くなったりふくらはぎが張ってきたり、あるいは脛が痛くなったりと言う苦痛を感じていたからです。
 けれど良い歩き方の方法と言うものを身につけてからは、歩くことに対する抵抗というものがかなり無くなりました。
 確かに少し練習することは必要ですがさほど難しいものでもなく、特に運動経験のある人であれば、少しのアドバイスで自然に歩けるようになると思います。