痛み解消+姿勢改善+トレーニングについて

(『臨床・連動療法』+『エゴスキューの運動療法』+『加圧コンディショニング』)

年齢と共に誰でもQOLは低下する

 QOL(quality of life:生活の質)と言う言葉が最近よく用いられるようになりました。
 この言葉は本来医療の中で使われていたものなのですが、その本質はいわゆる日常生活に問題の無い方にも当てはまるものだと思われます。

 例えば多くの中高年層の現実を見たとき、私を含めて多くの方々が、体の各所に痛みや機能不全を抱えて苦しんでいます。

 多くの健康食品やサプリメントのテレビコマーシャルを見れば、どれほどの潜在需要が見込まれているかが想像できます。

 これら中高年層の抱える痛みの原因の多くは、使いすぎなど過度の使用だけでは無く、筋肉の弱化、筋肉や関節の不使用(使わない事)や偏った運動(特にゴルフやテニスなど)や歪んだ姿勢などから来る事も多いようです。

 また普段腰痛や肩こりを感じたことが無いという方も、全く運動もせず、漫然と生活していてそうだとすれば、それは症状が表に出ていないだけであり、筋肉の退化(萎縮)や姿勢の歪みなどから来る障害がいずれは出てくるものだと考えられます。
 
 これは特に生活環境の変化などにより、日常的な運動量の減少や、高齢化などの影響からやむを得ない現象と言えます。
 
 以上の様に一定の年齢になれば誰でも例外なくQOL(生活の質)は低下して行くのです。

QOLの低下を防ぐ

 かつて、三浦雄一郎さんが80歳でエベレスト登頂を達成されました。

 もちろんそれは彼一人で出来るものでは無く、家族を含めた多くのスタッフや、そして資金的な援助をしたであろうスポンサーなど、いわば一種のチームワークで成し遂げられた事は間違いありません。

 しかし着目したいのは、彼が80歳と言う年齢である事です。

 80歳と言う年齢で、例え通常より多くの時間を費やしたとしても、エベレスト登頂を達成するだけの体力、気力を維持できたことは驚嘆に値するし、それは彼のQOLが年齢平均どころか、一般の元気な人々と比較しても著しく高い事を示しています。

 彼がこの様に高いQOLやADL(activities of daily living:日常生活動作)を維持出来ている事は、ひとえに日常のトレーニングと健康管理の成果によるものだと言えます。
 
 彼の日常のトレーニングについては、度々テレビ等で紹介されているのでご覧になった方も多い事でしょう。

 事細かな内容についての是非は申し上げませんが、少なくともトレーニングと健康管理いかんによっては、2度も心臓手術を受けた80歳の高齢者の方でもエベレストに登頂出来ると言う歴然とした結果が示されたのです。

 もちろん誰もがエベレストに登るだけの体力、気力を身につけようと言う訳ではありませんが、せめて日常生活には何の支障も無いと言うだけでは無く、自分の年齢相応以上に、より積極的にスポーツを楽しんだり、ハイキングや軽登山などの行楽を楽しんだり出来る状態を維持したいとは思いませんか?

モチベーションを維持する事

 こう言う私も実は昭和28年生まれで今年70歳を迎えます。
 10代から武道を始め、長いブランクはありますが、現在も続けています。

 ただ若い頃の無理がたたって、体のあちこちに障害を抱えてはいるのですが、今でも高いQOLを維持したい為に加圧を始めとして数種類のトレーニングを継続しています。
 
 しかしただ高いQOLを維持したい、あるいは痛みや障害から逃れたいと言うだけでは、日々のトレーニングを継続する為のモチベーションが維持できません。

 また10年ほど前からオートバイに乗り始めました。

 乗り始めたと言うのは正確では無く、およそ40年ぶりにリターンしたと言うのが正解です。

 小さめのバイクからステップアップしながら、今はダウンサイジングして大型のスポーツバイクを辞めて中型のバイクに乗っています。

 本当はリターンした時に、安全運転競技と言う競技にトライして、一度くらいは全国大会に出てみたいと思ったのですが、競技の練習中に複数ヶ所の腱鞘炎になり、かえって新たな障害を抱える事になってしまいました。

 それでも出来る限り練習会には参加し、日頃は無理の無い範囲でのライディングを楽しんでいます。

 動体視力や反射神経の状態を維持する為にも、また的確にバイクをコントロールする為にも、日常的なトレーニングを欠かさないと言うモチベーションが持続されています。

 先述の三浦さんのエベレストと比較するのもおこがましいのですが、何らかの目標がある事でトレーニングに対するモチベーションが維持される事は間違い有りません。

トリプルパッケージの発想

 QOLに話を戻しますが、高いQOLを得る為に何が必要なのかを考えて見ましょう。

 実は答えは沢山あります。

 必要な栄養素が摂れているかどうか、なんていう事は言うまでも有りません。

 しかしここで最も強調したい要素はやはり『正しい姿勢』なのです。
 そしてここで言う『正しい姿勢』には、今までの常識には無かった基準が加えられています。

 それは人体を正面から見たり、側面から見たりして、脊柱が歪んでいるとかいないとか、あるいは脊柱のカーブの状態が適正かどうかを見ると言うだけでは無く、肩、肘、膝、足首などの関節の位置が正常な位置にあるかどうかも含めて見ると言う事です。

 そしてもしそれらの位置に狂いがあれば、これを正常な位置に戻さなければいけませんし、その為には一人ひとりの体型(位置異常)にあった個別の修整方法が必要となります。

 腰痛や各種の関節の痛みなどは、この位置異常が原因となっている事も多く、痛みや障害の部分的な治療だけでは根本的な治療にはなりません。

 また正常な脊柱の状態や、各関節の位置を維持する為には、筋肉(特に深部の筋肉/インナーマッスル)が本来の正常な状態を取り戻す必要があると共に、その状態を維持出来るだけの筋力を必要としています。

 また正常な位置に戻された関節が、その関節の持つ機能(動き)を十二分に発揮する為には、動きの為のトレーニングも必要となって来ます。

 『正しい姿勢』を得る為には、背骨を含めた各関節(骨)の位置が正常であり、それを維持する為の筋肉が正常であり、各関節の動きが正常である事の全てが必要となります。

 この『トリプルパッケージ』は、これらの全てを満たすために作られた用手運動療法とトレーニングの総合体とも言えるものです。